胸キュンMonday ~甘く切ないすれ違いの恋~
星がとてもよく見えた。
都会でも星が見えるんだ。
忙しすぎて、じっくりと夜空を見上げる時間がないだけなのかもしれない。
俺は、どうして先生が俺を見つけてくれたのか…
わかんなかったけど、とにかく泣きそうに嬉しかったんだ。
一人は
やっぱ
寂しい。
「おい!!!たっくん!早く乗れ!」
半袖のTシャツを肩まで捲くりあげた先生が車の窓から顔を出して叫んだ。
何が何だかわかんねぇ俺。
「ちょっと…どこ…行くの?」
「いいから早く!!詳しい話は車の中で…」
先生の車は赤。
俺の今日の服も赤。
めったに赤を着ない俺だけど、
先生の赤の車に願いを込めて…
勝負服。
ダメだったけどな…
勢い良く俺の顔を冷やすクーラーに俺は自分が疲れていることに気付いた。
「先生、どうしたの?」
「ん?さっきのみんなの大声で伝わらなかったか?」
先生は首に巻いてるタオルで汗を拭きながら爽やかに運転してる。
「たくやぁ~、今からゆかりんとこ行くぞ!って意味だったんだけどなぁ…」
先生は少し残念そうな顔をした。
「わかるわけないですよ!卓弥とゆかりしか叫んでないじゃん…でも、どうして…ゆかりのとこってどういう意味?」