胸キュンMonday ~甘く切ないすれ違いの恋~


「落ち着いて聞けよ。まず、最初に言うけど…お前フラれてないからぁ!!それを伝えてほしいってさっき直から電話があった。」



先生の話し方が好きだ。


真剣に話す時と、ちょっとふざけた時の甘えた話し方のギャップがたまらなくかっこいい。




先生が向かったのは…



病院だった。






話がうまく理解できなかったのは、


『フラれてない』ってことが嬉しくて脳が浮かれてたからだろう。






ゆかりのお父さんが倒れた…と。


そんな…



俺が挨拶に行った時もあんなに元気で昼間っから酒飲んでたのに…





持病があるとも聞いてないし…





俺は


窓の外の景色を見ているフリをして、


実は


泣いてしまってた。





何の涙か


俺もわかんねぇ。




心配で心配で



今のゆかりの心の中がどんなことになってるのかって考えると


涙が出た。




高校の頃、単身赴任をしていたお父さんとは、最近やっと話せるようになったとゆかりは言ってた。



ゆかりの反抗期に大阪へ単身赴任になった為に、そのまま照れ臭くて今でも反抗しちゃうんだよ・・って言ってた。



これから、少しずつ仲良くなりたいって。




それなのに…




どうして…





先生が言った。



「俺もよくわからんが、やばい感じだと思う。」





涙がどんどん出てきて、ゆかりのお母さんや妹の泣いてる姿が浮かぶ。



そして、


その横で…必死に強がって泣かないゆかりの姿が…



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