胸キュンMonday ~甘く切ないすれ違いの恋~
静かな廊下にかなりの音漏れ。
コソコソっと小走りで階段へ移動した。
「もしもし?」
『大変です。ゆかり先輩…どおしよぉ…』
受話器の向こうからは、チャイムの音が聞こえていた。
懐かしい音に、高校生活を思い出す。
「どした?さくら??何があった?」
落ち着かせようと必死で声をかける。
『先輩~!!今、たった今…庸介に…告白されましたぁ!!』
わざと小声で受話器を押さえながら話すさくらの声が私の耳に響く。
「やったぁ~~!!」
私は、ここが学校だって事も忘れて、大声で飛び上がる。
キスしたって聞いてから、全く進展のなかったさくら。
目が合ってもそらされて、放送委員も勝手にサボったりする庸介にさくらは何も言えないまま、とても悩んでた。
嫌われたかもしれない…って涙ながらに夜中に電話したこともあったっけ。
さくらの涙が、報われた。
『今、休み時間なんです。あの…今日のバイト休んでもいいですか?今からデートなんです!!』
弾んだ声に、涙が出そうになる。
私は、電話を切った後…
ケータイ握り締めてその場でジャンプした。
やった!!
やったぁ!!
さくらが両想いになった。
さくらが庸介と付き合えた!!
すぐにたっくんにメール。
同じように喜んでくれたたっくんの優しさに、また愛が大きくなった。