胸キュンMonday ~甘く切ないすれ違いの恋~
クローバーの上に寝転んだまま、何度も何度もキスをした。
あの日の記憶が蘇り、涙が出そうになるのをぐっと堪えた。
もう、こんな日が来ないと…思った。
ゆかりが、俺の彼女じゃなくなるって思った。
もう、会えないんじゃないか…って。
ゆかりは俺の頬に手を当てながら、鼻先をくっつけて笑う。
「たっくん、ず~っと一緒にいようね。」
そう言うと、優しくキスをしてくれた。
俺はゆかりを抱きしめて、草の上でゴロゴロと転がりながらキスをした。
夕日が眩しくて目を細めるゆかりの目に、そっと口付ける。
ミャァ……
俺の背中に感じた温もり。
やっと姿を見せた猫はあの日の『ゆかり』だった。
猫の顔を覚えることが苦手な俺だけど、毛並みと右耳だけ茶色いその猫は…
きっとあの日の猫。
帰ろうとする俺を引きとめてくれたのも、お前か?
「こっちおいで…」
ミャアァ…!!
俺の手にあごを近づけて嬉しそうに鳴く猫。
「あぁ!この猫ちゃん、見たことある。病院で見た猫ちゃんとソックリだぁ!」
ゆかりは猫を抱き上げ、頭を撫でた。
あまりにも嬉しそうな顔をするゆかりに…
俺は言った。
「……飼う?」
振り向いたのは、ゆかりだけじゃなかった。
その猫も、かわいい目をして…
俺をじっと見つめてる。
…私を飼って…
そんな声が聞こえた気がした。