胸キュンMonday ~甘く切ないすれ違いの恋~



それ以来、猫を飼うのが怖くなった。

猫だけじゃない。


動物を飼うのが怖くて…


突然のさよならが怖くて仕方がなかった。



ミルクのことも…


誰にも話したことがなかった。


思い出すと胸の奥の方が、キューっと締め付けられるから。




初めて話した。


お腹の上にいる来夢を撫でながら…

ミルクのことを。




たっくんは優しいんだ。



うんうん…って


時々私の頭を撫でてくれて…


私の過去の悲しい記憶を少しずつ、溶かしてくれる。


ミルクの最期の顔じゃなく、

ミルクのかわいい顔を思い浮かべることができた。



たっくんのおかげで…

ミルクの人生は幸せだったんだって思えた。


短かったけど、ゆかりに出逢えてミルクも幸せだと思ってる…



そう言いながら、たっくんは夕焼けの空を指差した。



ミルク…


お母さんに会えた?

兄弟に会えた?

思う存分甘えていいからね。



私は、来夢っていう猫を飼うことにしたよ。


ミルクの生まれ変わりかと思うくらいに似てるんだ。



私の手にスリスリと耳を寄せる仕草も

愛嬌のある鳴き声も…





いつの間にか、空は色を変えていた。



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