胸キュンMonday ~甘く切ないすれ違いの恋~

車のキーをポケットに入れる仕草も

直に笑いかける横顔も

俺達にスリッパを出す筋肉質な腕も


全部 俺には敵わない。



大人の男って感じで…



「来るなら部活昼からにしたのにぃ…突然来るとは…」


先生は少し困ったような表情で、俺達にコーヒーを出してくれた。


ガチガチに固まる俺を見て笑った。


「何緊張してんの?たっくん。トイレでエッチするようには見えないけどなぁ…」


「ちょっ…そんなことしてないです!!トイレで…なんて…」


しどろもどろになる俺を見てみんなで笑ってる。


「俺、部活顔出してくるから、ゆっくりしてて。今日は他の先生来ないから。」


先生は来ていた上着を脱ぎ、Tシャツ姿になってた。


「ところで…お前ら何しに来たんだぁ?」


振り返った先生は、

何気に 直の頭ナデナデしてる…


くぅ…


悔しいけど、かっこいいぜ…


「たっくんがね…先生のファンなの!」


ゆかりの言葉に


俺は顔を赤らめて下を向いた。


「へぇ…俺の?俺のどこが?」

「あ…あの…彼女に対する愛とか…その…」



俺が照れて下を向くと、先生が右手を差し出した。


「よろしく!いつも中田に助けられてばっかりだったから、今度飯でもおごるよ。」


差し出された右手を

強く握り返した。



握手しながら、先生は少し唇の端を上げた。


その顔が

とてもかっこよくて

俺はますますファンになってしまった。
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