求命
裸の奈美に馬乗りになる。あとはいつもの通りだ。細い首を折るだけ。それだけで快楽が手に入る。男には奈美の体など興味がない。ただ、その一瞬の快楽だけを欲していた。
「ゆ、許して・・・。」
涙混じりに言った。しかし、男には届かない。力を込める一瞬を計っている。
「お願い。何でもするから、ねえ。」
声が大きくなる。
「お願い、聞こえているんでしょ?本当に、本当に何でもするから。許して下さい。」
「本当に何でもするのか?」
奈美には救いの声に聞こえた。
「う、うん。何でもする。だから、許して・・・。」
「わかった。」
「本当に?」
「あぁ、何でもしてくれるんだな?」
「うん・・・。」
声は震えていた。
「じゃ、死んでくれ。」
「えっ?」
骨の折れる感触が手に伝わってくる。この上ない快楽だ。
「これでお前の事、許してやるよ。」
男は笑い、快感に酔いしれていた。
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