求命
男の家は街のはずれにある。
だから、家が近づくにつれ、人通りがなくなっていくのは当然だった。人通りがあるうちは何ともなかった男の行動が、人通りがなくなるにつれおかしくなり出した。何か様子を伺うようにし、そして地蔵の置いてある倉に隠れた。
「何してるんだ?」
男達の一人が言った。
それを妹を殺された男は制止した。
「黙って。」
どう考えても普通の行動ではない。男の勘は、確信に変わろうとしていた。
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