★花よりスイーツ☆スイーツよりあなた★
~ドキドキ~
放課後。
鈴のおごりって事で、何をごちしてもらおうか考えたけど、結局いつも行く甘味屋さんに♪
甘味処『すぃーと』
学校帰りに鈴と、週3のペースで来てるお店なんだ。
「こんにちわ♪拓さんきたよ♪」
「お~、いいとこにきたな!」
そう言ってお店の奥から出てきたのは、
茶髪の短い髪。ちょっと色黒でいつも頭に白いタオルを巻いたこの店の店長。
伊豆 拓矢(イズ タクヤ)さん。通称…拓さん
ちょっと暑苦しい人だけど、いつも私達によくしてくれるいい人なんだ♪
「え、何かあるの??」
「まぁまぁ、座れって!」
言われた通り、いつもの席に座る。
「じゃじゃーん、新作!!」
「わぁ~!嬉しい!てか、可愛い♪」
私達の目の前に出された新作…
ピンク色の大福みたいなのに、生クリームと苺が乗っけてあって赤いソースでお皿をデコってある♪
「名付けて、『苺チャン♪』」
「そのままじゃん!」
「まぁ、細かいことは気にしない!
さっ、食べてみろ!」
「いただきま~す!」
――パクッ
「おいひぃ~!!拓さん、すごくおいひぃ!ねっ!えみ?」
鈴が口元に生クリームをつけたまま、私に聞いた。
「うん、美味しい!けど…」
「美味しいけど?」
確かに、見た目もいいし、中のいちごアイスも美味しいけど…何か足りない。
「これさ、中のいちごアイスにこのラズベリーソースを混ぜてみたら、もっと美味しくなる予感がする…」
「ほうほう。…やってみるか。やっぱりえみに聞いてよかったわ~。実は、これ俺の考えた新作じゃないんだよ。」
「やっぱり、何か拓さんっぽくないなぁと思ったんだよね~。」
「えみには、バレたか~。」
いつも私に、新作の味見をしてくれって拓さんによく頼まれるけど、今回は何だか拓さんっぽくないというか…