★花よりスイーツ☆スイーツよりあなた★
私はちょっと緊張しながら、高原さんにもう一度聞いた。
「あの…どうしてこれを私に…?」
私が半分になったベジタルトのお皿をちょっと持ち上げながら、聞くと…
「この前付き合ってくれたお礼したかったし…それに…」
そこまで言って高原さんは、ちょっと言いにくそうにして頬をかいた。
「それ、に…?」
それに…の続きが聞きたくて、私は高原さんに問う。
「その…えみチャンが、無理なダイエットしてるって聞いて…俺、何かしてあげたくて。拓さんにダイエットスイーツの話をもらって、頑張ってみたんだ。」
「そうだったんですか…。」
嬉しい…。
太った私が、ただダイエットしてるだけなのに…それなのに、私のためのダイエットスイーツを考えてくれたんだ…。
提案してくれた拓さんにも感謝だけど、それを実現してくれた高原さんに、もっと感謝。
「初の試みだったから…味のほう…大丈夫だった?まずかったらごめんっ!」
高原さんは何も言わない私に、顔の前で手を合わせて謝った。
慌てて私は、弁解する。
「味も見た目も、すごくいいです!私、このベジタルト、好きです!」
すると、高原さんの表情はまた、眩しいくらいの笑顔になった。
高原さんって、すごく表情豊かだな…。
嬉しいと、クシャクシャにして笑う。
照れると、ちょっと可愛くはにかむ。
感動すると、キラキラ笑顔になる。