★花よりスイーツ☆スイーツよりあなた★
「高原さ…」
「晴香チャン、今日はちょっと無理なんだ。ごめんね。」
私が名前を呼ぼうとしたが早いか、高原さんは私の腕を掴んだまま、笑顔で晴香チャンの誘いを断った。
え…
高原さん?
「どうしてですか?」
明らかに、不機嫌になりだしている晴香チャンは、引きつった笑顔で高原さんに聞いた。
「えみチャンを家まで送る約束してるんだ」
高原さんがそう言うと、晴香チャンは…
「そうですか、じゃあまた今度誘いますね♪」
意外とあっさり諦めて、帰っていった。
でも、通りすがりに…
『誰も襲わないっつーのこんなデブ。』
裏の顔で晴香チャンはそう囁いていった。
あんなに可愛いのに…。
信じたくないけど、信じないといけない晴香チャンの2つの顔。
男子にモテモテ、学校のアイドル、甘え女子の顔。
人の気持ちを考えず、言葉のナイフを突き刺してくる悪魔な顔。