★花よりスイーツ☆スイーツよりあなた★
その間にも…
「あなた、今何を言ってるか分かってるの?」
「はい。」
「私から誠二を取ろうってこと?」
「いえ。取るなんて、物を取るみたいなことはしません。私は誠二クンの気持ちを大事にしたいですから。」
「それは、誠二を私からあなたの方に向けさせるってこと?」
見てるこっちが怖くなるくらい、迫力満点の早紀さん。
それに、少しも劣らないくらい真剣な表情の鈴。
初めて見たかも…。
鈴のあんな自信に満ちた表情。
「私は、誠二クンが好きです。誰よりも」
鈴…。
そして…
「あなたに、誠二をとられるなんてあり得ないわ。」
そう鋭い視線とともに投げかけ、早紀さんは路肩に停めてあった車に乗り込み、去っていった。
だけど、まだそこには張り詰めた空気が流れているようだった。