★花よりスイーツ☆スイーツよりあなた★



まだ開店直後だから、お店は私達だけ。



いつものテーブル席に座る。



「えみ、何にする??私、拓さんの新作食べてないから、それにする♪」



頬杖をついて、ニコニコしながら私をみる鈴。



学校サボってるのに、罪悪感とかないのかい??



「私は~…夏恋にする!」


「拓さぁん」



メニューが決まると、鈴がテーブルの一輪挿しの花をいける拓さんを呼ぶ。



大股でこちらに歩いてくる拓さん。



いかついなぁ…。



高原さんだったら、もっと爽やかなんだろうなぁ…。



あれ?高原さんがいない?



いつもなら、すぐ私達のテーブルまで声を掛けにきてくれるのに…。



どうしたんだろ…。



「あいよ、決まったか?サボり組!」


「いーの!たまには!…私、拓さんの新作ね!えみは、夏恋♪」



「夏恋って!何でもかんでも略すなぁ。
せっかく俺が悩みに悩んで考えたヤツを…。ったく、これだから最近の若いもんは…」


「拓さん、どっかのオヤジになってるよ!」


「オヤジゆーなぁ~!」



プンスカ②しながら、拓さんは厨房に入って行った。




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