★花よりスイーツ☆スイーツよりあなた★
それから、お兄ちゃんの事を話すとき真っ赤に照れてしまう鈴をからかいつつ、高原さんの新作を待っていた。
心弾む気分で、このお店にきたのに…
一瞬で壊れた。
――――――――カラン
「いらっしゃいませ!…あ、」
「こんにちわぁ~、高原さぁん♪」
語尾の長い甘えた声。
私が今一番会いたくなかった人。
「は、晴香チャン。」
そう鈴の後ろに見えたのは、高原さんにとびっきりの天使のような笑顔を向ける晴香チャン。
高原さんは、どのお客さんにも変わらないニコニコ笑顔を晴香チャンに向けている。
まさか、今日晴香チャンがお店にくるなんて…
でも考えてみたら、晴香チャンがお店にくるなんて当然か…。
だって晴香チャンは高原さん目当てだもん。
毎日でも来ます!って本人が高原さんに言ってたもんね…。
はぁ…それにしても、やだな。
よりによって、『すぃーと』で一緒になるなんて。
私がいること、気づかれたくないな…。
あいにく、まだ晴香チャンは私と鈴の存在に気づいてない様子。
良かったぁ~、奥の席にして・・・。