★花よりスイーツ☆スイーツよりあなた★



「お兄ちゃん、もっかいあの時の話聞かせてよ!」



晴香チャンは、この状況を楽しんでるような表情でお兄さんに言い寄る。



「あ?あぁ、あのバレンタインの?いいよ。」



携帯をいじっていたお兄さんがコホンと咳払いをした。



やだ…



やだ…



――――――カラン。



その時だった。



お店に誰か入ってきた。



「おっせーよ、タッキー!」


「タッキー先輩、お久しぶりでーす♪」



え…



2人の声に反応して、今入ってきた人物…



「悪い、バイト長びいて。」



そう言って、茶色のダウンを着て黒のニット帽を取ったのは…滝沢先輩。



なんで?



滝沢先輩がこの店に…



無意識のうちに手が震えていた。



「へぇ~、ここか。晴香チャンの好きな甘味屋さんって。」


「そぅなんですよ―♪」



店を見渡す滝沢先輩。



そこへ、



「いらっしゃいませ。」


「あ…」



注文を聞きにきた高原さん。



その高原さんを見て、ちょっと驚いた顔をした滝沢先輩。



先輩、気づいた…



だって、高原さんとは一回会ってるもん。


ゆらさんのお店で。




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