★花よりスイーツ☆スイーツよりあなた★



すると、高原さんは一瞬考えてから、思い出したように“あ、君は!”と言った。



「何なに?タッキー知り合い?」



興味を示し始めた晴香チャンのお兄さん。



晴香チャンも気になったようだ。



「いつだったか、飯食いにいった店で…佑月と一緒にいた人で…すよね?」


「ええ。君は、たしかえみチャンの高校の先輩だった…よね?」



昔好きだった人と、今好きな人がそんな会話を交わしている光景に…私は少し苦しいのとはまた違う、胸騒ぎ。



「え~、高原さん、佑月先輩とご飯食べに行ったんですかぁ?」



不満げに、ぷくっと頬を膨らませて高原さんを上目遣いで見る晴香チャン。



ちょっと戸惑いがちに頷く高原さんの後ろ姿。



高原さん、いやだろうな…私なんかとご飯食べに行ったなんて知られるの。



「え~、よく行けましたねあんなのと。」


「お前、そんなこと言うなよ。」



信じられないと言わんばかり哀れみの表情でそう言う晴香チャンのお兄さん、



それに対して、私をかばってくれた滝沢先輩。



高原さん…今どんな顔してるんだろ。



後ろ姿からじゃ、高原さんの表情は見えるはずない。



気になるよ…。





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