★花よりスイーツ☆スイーツよりあなた★



そして、晴香チャンは私の視線に気づいていたのか…フッと笑う。



「高原さん、タッキー先輩と佑月先輩の関係、教えてあげましょっか。…」


「え?」



晴香チャンは、小悪魔のような笑みで高原さんの腕に触れる。



チラッと面白そうに私をみた。



それだけでも、私の胸はズキズキと痛む。



「晴香チャン、別にいいだろそんなの。佑月はただの後輩で…」


「え~、ただの後輩にあんなことしたのにですか?」


「それはっ!」



何か言おうとした滝沢先輩…でも、



「佑月って、高校んときタッキーに…」



―――――――ガタッ



晴香チャンのお兄さんの言葉が言い終わるより先に…私は立ち上がっていた。



そして、出ない声を一生懸命振り絞り…



「…めて………やめてよ!!!」



そう叫んでいた。



その瞬間、



「ゆ、佑月っ?どうして…」



私がいたことに驚いて、イスから立ち上がった何ともいえない複雑な表情の滝沢先輩…と、



「えみチャン…?」



突然、叫んだ私をびっくりした表情で振り返った高原さん。



もう、無理…



そう思った時には、私の目からは大粒の涙がこぼれていた。



もう耐えられない。



涙を必死に拭いながら、入り口のドアを開けて飛び出した。



「えみッ!!…」



そう私を心配そうに呼ぶ鈴の声を耳にしながら、私はひたすら走った。



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