★花よりスイーツ☆スイーツよりあなた★
―新しい私―

~振り向くな~




そろそろ学校閉まっちゃうな…



そう思い、すっかり暗くなった屋上を出て…学校を出た。



そして、校門を出た時だった…



「はぁ…はぁ…はぁ…やっと見つけた。」



泣きすぎて腫れて思い瞼を上げる。



私の目の前に立っていたのは…



「…せ、先輩?」



両膝に手を置いて、息を切らせた滝沢先輩がそこにいた。



なんで?なんで先輩が?



理解できないまま、何も言わないでいると…息を落ち着かせた先輩が、私の方へ近づいた。



目の前で立ち止まる。私と目線を合わせるように屈んだ先輩。



――――コツン。



おでこに軽くデコピンをくらった。



びっくりしていると、先輩はプッと吹き出すと笑ってこう言った。



「ばか、逃げ足はえーよ。佑月。」


「すいません。」



そう言って先輩が笑ったもんだから、つられて私も笑ってしまった。




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