★花よりスイーツ☆スイーツよりあなた★



「でも、あん時受け取ってたら、佑月を傷つけなくて済んだのかな…。」



違う。それは違うよ、先輩。



まさか、あの後そんなことになるなんて分からなかったんだから。



「私が屋上で待ってること…知ってたんですか?」



聞きたくないけど、聞かなきゃいけない気がする。



「ばか、知ってたら行ってるっつの。」


「え、じゃあ…」



私が聞く前に、先輩は話し始めた。



「俺…放課後部室でお前待ってたんだ。」

「え、部室で?」


「おぅ。」



うそ…先輩、部室で待っててくれたんだ。



じゃあ、やっぱり先輩、私が屋上にいるの知らなかったんだ。



「ずっと待ってたけど、佑月こないからさぁ…。何か、俺からかわれたんかなって思った。」


「そんなことっ…!」


「分かってるよ。」



ハハッと先輩は、少し笑った。



「そうしたら、あの黄色い頭のやつが…」

「晴香チャンの…」


「そっ、兄貴。」


「あいつがメールして来て、『佑月なら、とっくに帰ってるぞ』って。」


「そ、そんなぁ。」



私がそんな、先輩との約束を無視するわけないのに。



ひどすぎる。



結局、私と先輩はお互い…あの晴香チャンのお兄さん達に騙されたってことだよね。




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