★花よりスイーツ☆スイーツよりあなた★
知らなかった。
ショックな事実。
でも、知らなければならなかった事実。
「それで、次の日佑月は休んでるし、何も言えんまま…。佑月が屋上で待ってたことも、倒れたことも、後で知った。」
「私も…てっきり、先輩達にからかわれたんだって思ってました。」
“そう思うのは当たり前だよな”
先輩だって、何もしらないで騙されてた方なのに…
「先輩。」
「ん?」
「私…あの時、すごく悲しかった。
もう恋なんてしないって思った。」
先輩はしばらく、じっと私を見ていたけど…静かに頷きながら、私の言葉に耳を傾けていた。
先輩とのこと、終わりにしようって思ってたけど…だったら、今しかない。
話さなきゃ…そう私は思った。
「あの時、言えなかったんですけど…」
先輩は見る。
愛嬌のあるタレ目を、まっすぐ見つめる。
「先輩のこと、本当に好きでした。」
「佑月…。」
「本当に好きだったから、からかわれたんだと思って、すごくショック受けました。確かに、先輩のこと、恨んだ時もありました。」
「うん…。」
「でも、今は…もう吹っ切れてるんです。むしろ、あのひどい失恋があったから、今の私がいるんだって思ってるんです。」
私は何故か、清々しい気分になっていた。