★花よりスイーツ☆スイーツよりあなた★



5mほど離れたそこには、にっこりと微笑む私の好きな人。



ペコッと軽く頭を下げると、高原さんは少し手を振って車のドアを開けた。



私はまだ玄関のドアの前で突っ立ったままだった。



どうしても、



どうしてもこのままで高原さんと別れて、家には入れない。



そう考えてるうちにも、後ろでドアが閉まり、エンジンをかける音が聞こえる。



やっぱりダメだ!



とっさに振り返り、私は高原さんの車に向かって走った。



そして、



「高原さんっ!」



ご近所さんにまで聞こえるくらいのおっきな声で私は高原さんを呼んだ。



近所迷惑?そんなの今気にしてられない!


すると、高原さんは車から降りてきた。



「どうしたの?」



びっくりした様子で問いかけてきた高原さんに、一歩一歩近づいていく私。



滝沢先輩!私、今からもっと変わってみます!



そう心の中で宣言し、真っすぐ高原さんを見た。



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