★花よりスイーツ☆スイーツよりあなた★



そして次の日…



「えみ、今日俺ヒマだし、どっか連れてってやろうか?」



朝ご飯の厚切りトーストを食べてると、



一足先に食べ終わってソファーでコーヒーを飲みながらくつろぐお兄ちゃんが言った。



お兄ちゃんは、結構大きな食品会社に勤めていて、今日は休みなんだって。



「お兄ちゃん、せっかく休みなんだからゆっくりしたらいいのに。あ、デートとかないの~?」



私がそう聞くと、お兄ちゃんはあくびをしながらめんどくさそうに、



「あったら、妹なんか構ってないでとっくに出てるよ。」


「あはははっ~。そだね~。」


「で、このお兄さまとデートしたいか、したくないのか?」



そう言ってお兄ちゃんは、後ろから私と鈴の間に立って、ずいっと乗り出した。



とか何とか言っちゃって、ホントはお兄ちゃんが私達とデートしたいくせに。



「鈴、どうする?」



何故かウインナーを口にくわえたまま、赤くなってる鈴に聞いてみる。



「せ、誠二くんがいいなら…。」



とお兄ちゃんを上目遣いで見上げる鈴。



「よし。じゃ決まりな。10時には出るから準備しとけよ~?女の用意は長いんだよな~。」



そういいながらお兄ちゃんは、私達の頭を軽くポンッとしてから、また自分の部屋へと戻っていった。



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