Sour & Sweet(バレンタイン&ホワイトデー企画)
翠子はすぐに手を着けず、周りを窺うように見ていた。



そして徐にバーガーに手を伸ばすと、包装を取ってかじりつく。



「不味かったら、無理しなくて良いよ。」



「いいえ、美味しいです。」



翠子は首を横に振ると、食べ続ける。



だけど、彼女が一瞬だったけど…顔を顰めたのを見逃さなかった。



無理はさせたくなかったけど、顔顰めてただろ?とは言えなかった。



次は紅茶に手を伸ばそうとして、首を傾げた。



「私、ミルクティを注文したのだけれど…。」



すぐそばにフレッシュあるのに、気づいてないのか?



「これ。」



俺はフレッシュを摘むと、翠子に渡した。



受け取ったものを見た翠子は、フレッシュをトレイに戻すと、紅茶をストレートで飲んだ。



ミルクティ頼んだ意味無ぇし!



しばらくして、お互い黙ったままなのに気づいた。



翠子、何か喋れよ!



…ってか、俺が呼び出したんだった。



えーと、何喋ろう?



「こういうとこ来るの、初めて?」



「はい。」



まぁ、そうだろうな。



素性までは探る気ないから知らないけど、いいトコのお嬢さんってカンジだもんな…。





< 17 / 42 >

この作品をシェア

pagetop