Sour & Sweet(バレンタイン&ホワイトデー企画)
chap.3

優サイド

翠子のピアノ発表会に行くことになったってことは、そのあと当然会うんだよな。



この前みたいに、ファストフードってわけにもいかないし…。



俺は思いきって、翠子と同じ穴の貉である余合のクラスに向かった。



校内でも可愛いって評判の余合と、お喋りしたいなんていう邪な気持ちじゃない…決して。



取り巻きの女が怖くて一度も喋ったことないけど、他に頼りになりそうな奴がいないんだから仕方ない。



「余合、ちょっと良いか?」



「何の用?」



そう答えたのは、ダークエンジェルなんて異名までつけられた取り巻きの女。



噂じゃ、族のバイクの後ろに乗って車襲ってるとか、教師切りつけたとか…。



誰も、真相確かめたこと無いけど。



花見の奴、ホントにこんな女が好きなのか!?



確かにアンジェリーナは美人だけど、俺はゴメンだ。



「お嬢ウケして、値段安い喫茶店教えて。」



「ははーん、この前の引っ付き虫はアンタに告ったんだ?」



引っ付き虫…?って、翠子のことかよっ!?



いくら美人でも、翠子のことを虫扱いするとはゴーマンな女だ。



話が読めない余合に、アンジェリーナが掻い摘んでバレンタインデーに起こった出来事を説明しはじめた。




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