Sour & Sweet(バレンタイン&ホワイトデー企画)
「あの男子が通ってる高校、相当レベル低いからね。

家族の恥を晒したくはないけど、うちの高校に落ちた妹があの学校に行ってる。

黄金さんには、どこの馬の骨だか分からない男じゃなく、もっと相応しい相手がいるはずだよ。」



大雅さんは、冷たい目をして言い放った。



どうして、この人はこんな酷いことを言いのけるのだろうか?



「桐生(キリュウ)さんは、お爺さまもお父さまも著名な書道家でいらっしゃいましたわね。

だけど、優さんを…私が好きになった人を、馬の骨などと言う資格は何人たりとも与えられてはいませんのよ。

それに、ご自分の家族を恥などとおっしゃる方、私は嫌いです!」



私はそれだけ言うと、迎えの車に乗り込んだ。



『ウチの姉貴、酷いよ。

“私の物は私のもの、優の物は私のもの”とか言って、人の持ち物勝手に取り上げるんだぜ。』



昨日、優さんがお姉さまについておっしゃっていた言葉。



だけど



『嫌いにはなれないんだよなぁ…。』



って、笑っていた。



無性に会いたくなったけど、お互いに学校行事と学年末試験でしばらく会えない…。





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