Sour & Sweet(バレンタイン&ホワイトデー企画)
とりあえず校門に行くと、見覚えのある真っ赤な車が停まっていた。



その車に寄りかかるように、翠子とデートしてた背の高いオシャレな優男がいた。



さっき俺を呼んだ才媛にかかれば、この男は頭軽い呼ばわりされちまうのか…。



ちょっと可哀想な気も…って、何で翠子の男なんかに同情してんだ?



「優くん…かな?」



馴れ馴れしく呼ばれる覚え無ぇし!



俺は、目の前の男を睨みつけた。



「翠子様は、キミに嫌われたとずっと悲しんでいるんだ。

誤解しているようだけど、オレはただ翠子様のお買い物に付き添っただけだから…。

それにオレ、ちゃんと彼女いるし!」



一所懸命に説明してるこの人が、嘘をついているようには思えなかった。



それに、翠子のことを“様”付けて呼んでるってことは、使用人か?



翠子にくっ付いているのは、オッサンだったはずだけど…。



「俺の携帯にメールがあった、翠子がデートしてるって…。」



謎のメアドからのメールを男に見せると、彼は自分の携帯でどこかに電話をかけ、アドレスを読み上げた。



「分かった、父さんサンキュー。」



電話を切ると、彼は俺に向き直って言った。



「翠子様付きのオッサンに、一杯喰わされた。

あれだけ翠子様のお買い物に反対してた奴が、買ったミニスカート見つけてもあまり文句言わなかったわけだよな…。

優くんと別れさせるために、内緒でした買い物を利用して画策したんだ。」



じゃあ、俺はあのヤな野郎に騙されたのか?



「すぐに、翠子様に連絡してあげて。」



そうは言われても、翠子のアドレスは消去しちまった後だ…。



残る手段は、余合に連絡先を聞くか、翠子の学校に直接行くかだ。





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