なんでやねん!


「イクラ、気にしすぎ。大丈夫やから。」


はっ!


我に返る。


一人で悶えていたので、茜さんに勘違いさせてしまった。


「すいません、もう大丈夫です。」


横に置いていた、ペットボトルの水を飲んで、少し自分を落ち着かせる。


「そう言えばさぁ」


気を使ってか、茜さんは話を変えてくれた。


「勇輝最初、TV出るの嫌がってたやん。」


そう!それ、気になってたんです。


「あの時茜さん、なんて言って説得したんですか?」


茜さんはニヤっと悪い顔をして


「あの時ね『イクラをキレイにしてあげたいの。今このチャンスを与えられるのは、勇輝だけやねんで。』って言ってん。」

そうなんや。


「私はてっきり『そんなん知らんわ。』って返事が来ると思って、次の台詞も用紙してたのにさぁ、あっさりOKやったやん。」


「はい。」


私も、えらくあっさりOKしてくれたから、茜さんが何言ったのか気になってたんですよね。


「こりゃあ、勇輝ちゃんも、七海ちゃんのキレイな姿見たかったんじゃないの?それか嫌われたくなかったか?」


そう言うと、私の脇腹を人差し指でつついた。


「え〜、そうですか〜?」


そんな追い打ちかけて、嬉しい事言われたら、やっぱり勘違いしそうになります、茜さん!


今夜は眠れないかも…!!?


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