なんでやねん!


神崎さんは、紳士だ。


喋り方も穏やか。


目が優しい。


私にホレたか?


ホモでは無いのか?


両刀で、私に気がある…とも考えられる。


しかし…よく分からない。


「橘さんは、あの2人とは仲良いんですよね?」


会話に困ったので、共通の話題になる。


「あの2人って、勇輝と光?」


雰囲気に流されて、…いや、正直言うと彼がタイプなので、いつもより2オクターブ高い声で話す。


「ええ、そうです。勇輝君とは、凄く仲が良さそうだったから。」


そうだ。


この人には、勇輝との会話を聞かれていた。


て事は、今 優雅な態度で挑んでいる私は、滑稽に見えているのかもしれない。


それとも、TPOに合わせた振る舞いが出来る、と解釈してくれているか。


そう思ってくれていれば助かるのだが。


「勇輝とは、仲良いですよ。光は、昨日初めて会ったんですが、良い人ですね。」


あえて、『天然だけど。』とは言わなかった。


「そうですね。仕事も頑張ってくれてますよ。」


会話が止まる。


どーしよっかなぁ。


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