なんでやねん!


ちょっと残念に思いつつ、顔をあげた。


光さんと目が合うと、キラキラスマイルで


「はい、カワイクできた。」

と言われて、何も言えなくなってしまった。


この人、自分が格好いい事分かってってやってる?


 ガシッ!


私の後ろから両手が伸びてきて、光さんの首を掴んだ。


私の後ろにいたのは、勇輝さんのはず。


キャーキャー!背中に勇輝さんの温もりが!


「お前、そんなハズい事、よく言えるな。このタラシ。」


先程の反撃とばかりに、勇輝さんが光さんをイジりだす。


「何も垂らして無いって。」


その《たらし》じゃないです、光さん。


「ほんまか?」


「ほんまやって。」


「いっつも脳みそ、垂れ流してるやないか!」


「垂れへんわ!」


形勢逆転。


やっぱり光さんがイジられてないとね。


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