すき、好き、もっとスキ。
「お前、俺の学校のガイドしてんか?」
少し声のトーンと落とした璃久の言葉に頷くと、
「何で言わへんかってん?」
と呆れた顔で、あたしを見つめる。
あぁ、なるほど!
そういう意味で聞いてたんだ!
「あ、それがね。あたしも今日の朝、知ったんだー」
「は? 急に決まったんか?」
「ううん。前から決まってたんだけど、ちゃんと資料読んでなくてね…」
「信じられへん……」
続けようと思った言葉を遮って、璃久が続ける。
「お前なぁ、社会人やろ。
仕事して給料貰ってんやろ。
なら、仕事の資料くらいちゃんと目通しとけや」
「……ごめんなさい」
気付けば、いつも通りの光景。
年下の高校生に怒られる社会人の、あたし。
しかも言ってることは、当たり前のことで。
何も言い返すことが出来ない。