すき、好き、もっとスキ。
「お前、やっぱし阿呆やろ」
そこには制服のネクタイを緩めている璃久の姿があって。
目に浮かんでいた涙は一気に消え去ってしまう。
クリアになっていく視界にハッキリと映し出される……璃久。
「何で帰らされてんねん」
「な、何で!?」
見開いた目に映るのは、やっぱり璃久で。
立ち上がったままの状態のあたしに
「何立っとんねん。座れや」
手首を掴み下へと引っ張る。
捕まれた手首が熱くて。
目の前に居る璃久が本物なんだって、やっと理解出来た。