すき、好き、もっとスキ。



「おいっ! 何でまた泣いてんねん?」

「だって、璃、久、がぁー。……いたっ!」



泣いているあたしの額に見事なデコピンが入って、璃久を睨む。



「グダグダしつこいねん。はよ言いたいこと言えっちゅうねん」



あ。
璃久がツンに戻った……。


いつもと同じ璃久に、思わずホッとしたのは気のせいかな。


ちょっとくらい優しくしてくれもいいじゃん!

なんて思ってるのに、何でホッとしたんだろ。



「お前、もっとデコピンされたいんか?」

「えっ、あ、ううん!」



目の前の璃久は早く言えって顔で。

正直言いたくないあたしは、何度もその顔を見ては下を向いて。

だけど璃久の顔があまりにも怒ってるから。



ポツリポツリと話し始めた。



< 68 / 110 >

この作品をシェア

pagetop