すき、好き、もっとスキ。



「で、コレ」



そう言いながら目の前に出されたスティッチのメモに書かれた番号や記号。


080……あ、携帯番号?

その下のはメアドだ。


そして“松永より”って名前を見た瞬間、目の前に出したスティッチのメモ用紙をグシャと握り潰した。



「え!?」



驚くあたしを無視して、そのメモをあたしに渡す。

クシャクシャになったそれを受け取ると



「これ貰っただけやから。
他は何もない」

「あ、うん……」



たった、それだけの事で。



すーっとモヤモヤしていた胸が軽くなって。

何で悩んでいたのかとか。

何を想っていたのかとか。



どうでもよくなっちゃった気がした。



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