約束

送信完了の画面を確認し、携帯を閉じた。

「あのさー…うるさい!」

隣で音量ガンガンでiPod聞かれてもねー…。

「聞く?」

とか言ってあたしに近づく風岡…。

ドキン…

は…?
なに今の。
ドキンってなに?

「いいしっ…!」

あたしは焦って風岡から離れた。

「いい曲なのにー?」
「知らないし!」
「はいはい。」

風岡はすねて一人で聞いてた。

この…今のってなに?





あの時のあたしは恋って言葉を知らなかった。
人を愛しいと思ったことがなかった。

麗也…あんたはあたしに愛を教えてくれた。

初めて愛しいと思った人だよ。





重い足取りで中庭に向かうあたし。
めんどくさい。
ただそれだけが頭に浮かんでた。

「瞳…。」

呼ばれた名前。

「なに?」
「ごめん…。」
「もういいよ。あたしたち終わりにしない?」
「え…?」
「大地重すぎた。あたしには合わなかった。ごめんね。バイバイ。」
< 2 / 5 >

この作品をシェア

pagetop