約束
送信完了の画面を確認し、携帯を閉じた。
「あのさー…うるさい!」
隣で音量ガンガンでiPod聞かれてもねー…。
「聞く?」
とか言ってあたしに近づく風岡…。
ドキン…
は…?
なに今の。
ドキンってなに?
「いいしっ…!」
あたしは焦って風岡から離れた。
「いい曲なのにー?」
「知らないし!」
「はいはい。」
風岡はすねて一人で聞いてた。
この…今のってなに?
あの時のあたしは恋って言葉を知らなかった。
人を愛しいと思ったことがなかった。
麗也…あんたはあたしに愛を教えてくれた。
初めて愛しいと思った人だよ。
重い足取りで中庭に向かうあたし。
めんどくさい。
ただそれだけが頭に浮かんでた。
「瞳…。」
呼ばれた名前。
「なに?」
「ごめん…。」
「もういいよ。あたしたち終わりにしない?」
「え…?」
「大地重すぎた。あたしには合わなかった。ごめんね。バイバイ。」