約束
それだけ言い捨てあたしは教室に戻った。
「お疲れ〜!」
沙耶が待っていた。
「疲れた…。」
「何人目よ?」
「20人くらい?
数えてなんかないよ。」
「だよね。好きじゃないもんね?」
「そーです。」
そう…あたしは好きじゃない。
好きにならないんじゃなくて、好きになれない。
頑張っても無理なんだ…。
「はやく見つかるといいね。」
「ほんとだよー。」
「沙耶っ!」
「類斗ー!」
類斗は沙耶の彼氏。
この二人長いよねー!
「瞳!」
「風岡??」
「俺と麗也なかよし☆」
類斗はにかって笑ってみせる。
「瞳帰ろーぜ☆」
強引に帰らされた。
「瞳…?」
覗き込んで、目の前は麗也の顔一面。
「なっ…なに?」
ドキンドキン…。
また…胸がドキってなる。
あたし大丈夫かな?
「かわいー!」
そう言って笑った麗也。
胸がきゅーってなった。
な ん で ?
「可愛くないしっ…!」