約束

それだけ言い捨てあたしは教室に戻った。

「お疲れ〜!」

沙耶が待っていた。

「疲れた…。」
「何人目よ?」
「20人くらい?
数えてなんかないよ。」
「だよね。好きじゃないもんね?」
「そーです。」

そう…あたしは好きじゃない。
好きにならないんじゃなくて、好きになれない。
頑張っても無理なんだ…。


「はやく見つかるといいね。」
「ほんとだよー。」

「沙耶っ!」
「類斗ー!」

類斗は沙耶の彼氏。
この二人長いよねー!

「瞳!」
「風岡??」
「俺と麗也なかよし☆」

類斗はにかって笑ってみせる。

「瞳帰ろーぜ☆」

強引に帰らされた。

「瞳…?」

覗き込んで、目の前は麗也の顔一面。

「なっ…なに?」

ドキンドキン…。
また…胸がドキってなる。
あたし大丈夫かな?

「かわいー!」

そう言って笑った麗也。
胸がきゅーってなった。
な ん で ?

「可愛くないしっ…!」
< 3 / 5 >

この作品をシェア

pagetop