今あなたに逢いたくて…
「でもさ〜…マア兄の奥さんって…マジ酷すぎくな〜い実家に乗り込んでタカリみたいなことしてさあ許せないアタシなら自分の好きな旦那さんが困ってるんなら自分も働くってこと考えるけどな〜ねえ〜っ」
「ん…まあ…普通の夫婦ならそうするし…それが普通の夫婦なんだけどな。………あ〜うめーなっ」
と俺も久しぶりの酒に…心を解放していた。
「しかも…まさかマア兄が風俗の店で働いてたなんてビッケしたし〜それからどうなったのねえ続き」
「あ…ん。それから…」
とまた真琴は俺のシャツの袖を引っ張って…俺の輝きを無くした目を見つめた。
この真琴の純粋でひたむきな心が今の…余命いくばくも無い俺にとっては最大で…しかも唯一の安らぎで…
真琴には俺が生きて来た情けない人生のすべてを知っていて欲しいと思っていた。
そしてできれば俺の最期は真琴に見届けてもらえたら…それだけでいい…それ以上は望まない。