PureLOVE〜キセキの確率〜2
<閉じない傷口>
一体、僕が兄のふりをした事に、何の意味があったんだろうか…
いたずらに、アコさんに恋心を抱かせただけだ。
過去を振り返り、僕は頭をふった。
リコさんと海岸を歩きながら、僕等はそれぞれの過去を思い出していた。
記憶は傷付いた心を何度でもえぐった。
血は流れ続けていた。
砂浜は永遠に続く天国への道のような気がした。
僕は記憶を封印し、リコさんに話しかけた。
「頭…なんでそんな短いんですか」
「これ?あぁ、亜子がな、抗がん剤治療で髪抜けるって泣いたから…先にハゲになってやったよ」
リコさんの男前ぶりに僕は驚き、じっとその横顔を見つめた。
きれい…だ。
「なんだよ、あんま見んなよ」
ぶっきらぼうだがこの人は本当に本当に心がきれいだ。
晋也兄ぃと似てる…
「なあタクヤ、悪かったな、花束とか…いろいろ」
「いえ」
「わたしさ、亜子にちゃんと恋して欲しいんだよ」
「え?」
「あいつ、胸の事気にしてきっとこれから恋とか、出来ないとか言い出すからさ…」
「ああ…」
「でもなんかお前どう見ても大学生じゃなかったし、それに…」
「それに…?」
「いや、なんでもない」
「ともかく、すまん」
「いえ、全然僕こそ、兄のふりしてすみませんでした」
二人は無言で見つめ合った。
お互いの傷口をしっかりと確認し合うかのように…
リコさんはまだ僕の手を握っていた。
いたずらに、アコさんに恋心を抱かせただけだ。
過去を振り返り、僕は頭をふった。
リコさんと海岸を歩きながら、僕等はそれぞれの過去を思い出していた。
記憶は傷付いた心を何度でもえぐった。
血は流れ続けていた。
砂浜は永遠に続く天国への道のような気がした。
僕は記憶を封印し、リコさんに話しかけた。
「頭…なんでそんな短いんですか」
「これ?あぁ、亜子がな、抗がん剤治療で髪抜けるって泣いたから…先にハゲになってやったよ」
リコさんの男前ぶりに僕は驚き、じっとその横顔を見つめた。
きれい…だ。
「なんだよ、あんま見んなよ」
ぶっきらぼうだがこの人は本当に本当に心がきれいだ。
晋也兄ぃと似てる…
「なあタクヤ、悪かったな、花束とか…いろいろ」
「いえ」
「わたしさ、亜子にちゃんと恋して欲しいんだよ」
「え?」
「あいつ、胸の事気にしてきっとこれから恋とか、出来ないとか言い出すからさ…」
「ああ…」
「でもなんかお前どう見ても大学生じゃなかったし、それに…」
「それに…?」
「いや、なんでもない」
「ともかく、すまん」
「いえ、全然僕こそ、兄のふりしてすみませんでした」
二人は無言で見つめ合った。
お互いの傷口をしっかりと確認し合うかのように…
リコさんはまだ僕の手を握っていた。