気づけば、あなたが
佳奈になだめられてとりあえず三人は昼食を取った。



「帰りに学校、寄るでしょ」



「みんな、どうしてるかな?」


杏の言葉に陽介はいきなりツッコミを入れた。


「早く試験が終わんねーかなって思ってんだろ」



ハァー・・・


杏は大きくため息をつく。


「そんな事、当たり前でしょ!」



「何、怒ってんだよ」


「アハハッ! 陽介には乙女心はわからんよ、杏ちゃん」


そう言うとまたサンドイッチを口に入れた。



「俺は女の子じゃありませんのよ、ホホホッ」


「うっ・・キモっ」


杏はソッボを向いた。


「さてと俺はあっちに戻るから、じゃあな二人とも後でな!」


陽介はあっさりと行ってしまった。



「ホント、面白いね」


佳奈は笑った。



まあ確かに面白いけど・・・。


ちゃんと答えて欲しかっただけ・・・・・・っていうか、私ったら陽介に何を求めてるんだろう?




変だよ・・・



そう、いつだって陽介に会うと、アイツのペースになっちゃう。



「杏、杏!」


「えっ?」


「顔、赤いよ」


杏は頬を触った。


・・・ちょっと・・・熱い・・・・・・。
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