気づけば、あなたが
午後の試験が始まった。



さっきまでに騒がしさは消え、静寂な空間が広がった。



顔が赤いよ・・・



その言葉が引っかかる。



それに何だか、ホントに熱っぽい。


風邪・・・?



ボーっとしてる場合じゃないのに・・・



杏はそう思いつつも夕べ、最後の追い込みで机に向かっていた。



風呂上がりの体も、次第に冷めていき、結局そのまま眠ってしまった。



・・・やっぱり、それが原因だ・・・



でもあと・・・


あともう少しだから


そんなふうに自分に言い聞かせていた。





そして・・・。



最後の科目も終了し杏は力尽きた。



やばっ・・・ホントにダメ・・・



答案用紙を回収していた先生が、杏の様子に気付いて保健の先生を呼びに行った。


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