気づけば、あなたが

スランプ

家に着くまでの間、
杏はずっとドキドキしていた。



先輩・・・


先輩への思いが強かった杏。



今でも先輩は、中学の頃と変わりなく、かっこいいし、生徒会長として人気もある。



私なんかで、いいのかな・・・


杏はまた別の不安がよぎった。



・・・陽介・・・・・・



どうしよう


どうしたら いいの



神崎先輩の告白・・・



ずっと憧れていた
その想いが、やっと叶った。



それなのに どこか
心に引っかかるものがある。



杏は明日の陸上部のテストに向けて、本来なら少し走り込みをするはずだが、今はそれさえも頭になかった。



それが杏にとって、また大きな転機を迎える事になる。
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