気づけば、あなたが
陽介は杏の事も気になったが、試験も終わり晴れ晴れとしていた。



自転車をこぐ足も軽快だ


そして学校に着くと職員室へ向かった。



「失礼します!」


職員室の戸を開け、陽介は中へ入った。



「お疲れさん、海藤の事は坂本から聞いたよ。大変だったな」


「いや、特に俺は何してたわけじゃないし」


「そうかぁ、でも坂本の話じゃ心配そうな表情だったって」



「いやっ、それはまあ」


先生はニヤリとした。


「まあ、今夜はぐっすりと寝てくれ」



「はい」


陽介は職員室を出た後も先生のあのニヤリ加減が気になった。



・・・やばっ、バレたらマズいよな・・・。



そんなふうに思った。



教室に行くと中は和やかな雰囲気だった。


受験も終わりみんなホッとしている。


「風見、どうだった?」

「ハハッ、バッチリだぜ!」


陽介の周りにクラスメートも集まって来る。


「ところで杏は?」


「試験が終わってから倒れて、今病院にいる」


「そうなんだぁ、後でメールしとこう」


いつも仲のいい、島田美波はニヤリと笑った。


えっ!


何か気になる・・・。


陽介はただ平然を装っていた。
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