気づけば、あなたが
教室の窓から見える見慣れた景色。


今さらながら。


みんな何を思っているのだろうか。



陽介はいつになくセンチメンタルしていた。



よ・・・う・・・すけ・・・・・・よう・・・すけ・・・


「ちょっと陽介、聞いてんの!!」


美波の怒鳴り声で、やっと気がついた。



「あっ、わりい」


「もう、何ボーっとしてんのよ」


美波は陽介をどついた。


「何かないの?」


「そうだな、花壇を作るとか・・・」



「風見から、そんな乙女チックな言葉が出るとは思わなかったよ」


「ホント、信じられなーい!」



「うるせーよ、お前たちこそ考えたのか?」


「ていうかさあ、今さらモニュメント造るとか面倒くさいじゃん、もっと簡単に出来て記念になるものはないかなって」


美波もあれこれ案は出しているようだ。



「だったらクラス全員から幾らずつか徴収して植樹しないか?」



「植樹!」


周りの者が一斉に声をあ上げる。



「それいいよ。ハイハイ、うちらのグループは植樹に決まり!」


美波は大声で叫んだ。


「陽介の提案で植樹が出ました。他のみんなは何かありますか?」



「それでいいんじゃん。異議なーし!」


誰かが叫んだ。

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