気づけば、あなたが
チャイムが鳴り、卒業式の予行練習も終わった。



ガヤガヤしながら教室に戻ると、また美波がやって来た。



「陽介、どうするの?」

「行かねーよ!」


「あっ、そう」


そう返事すると向こうへ行ってしまった。



さっきまであんなにしつこかったのに。



「あいつ、何かムッとしてなかった?」



「お前もそう思った?やっぱり怒ってるんだ」


「また何かやらかしたんだろう? 美波は怒らせるとおっかねぇから、早く謝った方がいいぜ」



美波に対して随分と弱気な発言だ。



しかし、謝れと言われても別に悪い事をした訳でもない。


何で俺が!



美波の方を向くと、彼女もこちらをチラチラ見ていた。


美波の態度も何かおかしい・・・?



訳わかんねー!


陽介は心の中で大きく叫んだ。



そして、帰りにまた事件は起こった。
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