気づけば、あなたが
美波は卒業生代表で答辞を読む。


彼女のスピーチは県大会で優勝する程である。



予行練習とは言え、本番さながらの朗読力で中には目を潤ませる女子もいた。



杏と同様、美波も他の生徒から絶大な支持を受けている。



だから勿論、美波は男子生徒にも人気はあるが、今までコレ!という男子はいなかった。



でも多分それは、陽介の事が気になり始めたから



ずっと前から好きだった



それが美波の思い。



だからこのまま友人関係でもいいと思っていた。



ところが佳奈の存在が美波の眠っていた思いを目覚めさせてしまった。



今までよく二人でクラス委員をやったり考えてみれば、男子と女子という仲ではみんなも羨む程だった。



陽介と杏と美波のトライアングル。



このままずっと続けばいい。



でもそこに入って来た別のワッカは、何故か複雑に絡み合ってしまう。



解けない知恵の輪。



誰が一番先に、外れるのだろうか・・・?
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