気づけば、あなたが
校内は中学生で溢れていた。



本当にこの日が来ちゃった・・・・・・。



杏は一つ深呼吸をして掲示板に向かった。


掲示板の前で歓声が聞こえる。



さまざまな表情が杏の目の前を通り過ぎる。



後ろから肩をボン!と叩かれた。


陽介だった。



そして、あの日と同じように杏の手を取り、どんどん前へ出て行く。




陽介の視線、受験番号を追う。



確か陽介は五百三十番台・・・・・・。



陽介は杏の方へ振り向き笑った。



「陽介、合格したんだ!」


杏の言葉に大きく頷く。



そしてすぐに、となりの掲示板にずれた。


私は・・・五百六十七番・・・。



上から数字をたどる。



えーと・・・



五百六十一、二、四・・・・・・六・・・・・・



あっ!


あったぁ!!


五百六十七番。



もう涙がでそう・・・。


「良かったな」


「陽介も合格おめでとう!」



ホントに嬉しかった。


最後の最後まで頑張った甲斐があった。



杏は陽介と一緒に合格者の受付に並んだ。


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