気づけば、あなたが
本田恭介は、掲示板の前で大きくガッツポーズをとった。



隣にいた美波は一瞬・・・ひいていた。


「島田、やったぞぉ!」

「そんな騒がなくてもわかったから、おめでとう!」


美波は笑った。


「頑張って勉強した甲斐があったよ」


本田はウンウンとひとりで頷いていた。


「また本田と三年間一緒かぁ」


「ハハハッ、まあいいじゃん」



本田が一番嬉しかった事

それは美波とまた一緒だという事だった。



「杏や陽介もきっと合格だね」


「そうだな、あの二人は心配ないと思うけどな」


「じゃあ、この後は合格祝いでもやらない?」


美波はニコニコしながら言った。


「俺、誘ってくれるの?」


「何言ってんのよ、くされ縁のクラスメートでしょ」


・・・くされ縁か、まっ、いいけど・・・



「本田、先に帰るから」


美波はそう言って本田の背中をポンと一つ叩いた


「ああ・・・」


本田の返事を聞いたのか、美波はもうずっと先を歩いていた。
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