気づけば、あなたが
こんな時、何て言えばいいの?


三者三様、そんな事を考えていた。


でもやはり、口火をきったのは母親だった。



「とにかく乾杯しましょう」



「じゃあ、みんなで乾杯!」



顔、ひきつっちゃったな?


作り笑いしている美波。



そんな中、杏はひとりピザを口に入れていた。



「げっ! 杏・・・人が心配してるのに、先に食べるか!」


美波はいつもの調子でツッコミした。



「ホント、杏たら」


母親も呆れ顔だった


お祝い事は楽しくやらなくちゃ・・・


やっぱりみんなの気持ちは同じだった。




杏の悩み事は本人の口から出た時に、相談にのってあげようと母親は思った。



それからしばらくして本田が訪ねて来た。


二人は笑いながら大歓迎した。

そして

杏は願っていた。


陽介が来る事を・・・。

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