気づけば、あなたが
一方、問題は杏だった。



どうして、こんなふうな気持ちが続くんだろう・・・



教室の窓から下の様子を見つめていた。



まだ何人かの生徒達はそれぞれに記念写真を撮っている。



やっぱり、陽介を目で追ってしまう。



もう、わかんないよ・・・



卒業まであと3日。



時が解決してくれるには、もう時間がない。



杏はこの時から、陽介に対して心を閉ざしてしまった。



陽介はただのクラスメート・・・



自分の心の扉に鍵をかけてしまった。



思い出は消去されてしまうのだろうか?



美波が教室に戻ると杏は笑顔を見せてはいたが、何故か別人のように感じた。



「杏・・・」


美波は親友の悲しい現実に直面する。
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