気づけば、あなたが

卒業

あれから全く修復もできないまま時は過ぎた。



クラスの雰囲気は、卒業モードに入っていたが杏と陽介は平行線を辿ったままだ。



佳奈は噂になった事でむしろ喜んでいる。


認める認めないは別にしても、これでおおっぴらに二人でいる事が出来る。



そんな佳奈を美波は許せなかった。



「最後の最後で私が杏の敵をとってあげるから」


「どういう意味?」


本田が尋ねる。


「私が卒業生代表で答辞を読むでしょ」


「それ、マズいだろう」


「大丈夫だって! 元々の文章も私が考えたのよ、多少変わったってわからないわ」


美波なら本当に実行するだろうと本田は思った。



「俺からあいつに話そうと思っても坂本がくっついてて・・・」


「少し陽介の目を覚ましてやんないとダメよ!」


美波は強気だ。



本田も陽介の考えがよくわからないというのが正直な所だった。


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