気づけば、あなたが
担任と話し終えて、教室を出た。


静まり返った長い廊下。


隣の教室。


杏は何気なく、そちらの方に顔を向けた。



えっ・・・!


呆然と立ち尽くす杏


グラウンド側の窓際に二人がいた。



佳奈は陽介に寄り添うように立っている。


二人はグラウンドを見ながら、話をしている。


時々、見せる佳奈の横顔は笑顔に満ち溢れていた。



陽介はどうなの?


杏はそう思いながらも、これ以上この場にいられなかった。



もう、だめ!


決定的・・・


杏は駆け足で、その場を立ち去った。



今までの思い出を、全て消し去りたい。



杏はさらに深い悲しみに包まれた。



明日は・・・


卒業式・・・。
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